アフィリエイターの法的リスクを知っておこう

こんにちは!

 
意外に誰も取り上げていない、
アフィリエイターの法律上のリスクについて考えます。

 
アフィリエイト広告をクリックしてもらい、
商品の購入につなげることで報酬を得る、という流れから、
懸念される法律上の問題としては、
クリック数を増やすための誇大広告が挙げられます。

 
誇大広告を規制する法律には、
景表法(不当景品類及び不当表示防止法)、薬事法食品衛生法などがあります。

 

景表法上の問題点

 
景表法で規制されるのは、主に不当表示についてです。

 
食品の産地偽装、定価を割引価格だとしてウソの表示をするなどの行為が抵触します。

 
この法律がアフィリエイターにどう影響するかを考えます。

 
第4条第1項柱書によれば、景表法は「自己の供給する商品又は役務の取引」を規制の対象にしています。

 
つまり、自ら商品を供給するわけではなく、もっぱら広告主の商品やサービスを紹介、宣伝しているにすぎないアフィリエイターは該当せず、規制の対象とはなりません。

 
ちなみに、広告主とASPについて考えると、
広告主は自ら商品、サービスを販売している以上、規制の対象になります。しかも、アフィリエイターの広告内容についてまでも責任を負うことになります。

 
ASPは、広告代理店として広告主とアフィリエイターを仲介する立場であって、原則としては規制の対象外だと言えます。

 
しかし、特定の広告主のアフィリエイトだけを扱っているような場合には、例外として規制の対象と考えられる可能性があります。

 

薬事法上の問題点

 
薬事法は、第66条第1項で誇大広告を禁止しています。

 
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」

 
ここで注目すべきは、冒頭の「何人も」という表記です。

 
つまり、景表法とは違い、アフィリエイターも規制の対象となるということなんです。

 
なお、アフィリエイターに人気の案件でもある健康食品、サプリメントについても、薬事法で規制されているという点に注意が必要です。

 
第68条によれば、

 
「何人も(医薬品として承認を受けていない食品などについて)その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない」

 
とされています。

 
つまり、医薬品として認可されていない健康食品などを紹介する場合に、
体内の脂肪を燃焼する作用がある、
血中のコレステロールを低下させる、
疲れがすっかり取れる、
もう医者要らずです、
といった広告をすることは、アフィリエイターであっても薬事法に抵触する可能性があります。

 
景表法、薬事法のほかにも、商品の種類によっては食品衛生法、健康増進法などで誇大広告、虚偽広告は規制されています。

 

損害賠償責任の可能性

 

 
さて、あらためてアフィリエイターという立場から考えてみます。
上記のような法律の規制対象でなければ、誇大広告をしても問題ないのか・・・

 
結論としては「NO」です。

 
もし、購入者から、アフィリエイターの不当表示を信用して商品を購入してしまったとして、不法行為による損害賠償を請求されたとすれば、その責任を負うことになる可能性は否定できません。

 
まだまだ法律解釈や判例などが固まっていない状況だと言われますが、今の時点で確実に言えることは、
法律の規制が及ぶ、及ばないにかかわらず、誤解を招くような表現を使った広告は避けるべきだということです。

 
とくに薬事法上の効能や性能に関する情報はデリケートですから、一層の注意が必要だと言えます。

 
売りたいばかりにエスカレートしがちな広告、紹介文言・・・

 
くれぐれも、これらの注意をお忘れなくです!